学生・研究員募集 Student

研究室配属を考えている学生さんへ

メッセージ

教授松永 民秀

ヒトiPS細胞は再生医療だけでなく、創薬研究での利用も大いに期待されています。我々は、ヒトiPS細胞から効率よく、高い機能を持った肝細胞、腸管上皮細胞、腸管オルガノイド(三次元組織類似体)、血管内皮前駆細胞、脳毛細血管内皮細胞、血液細胞等に分化誘導する研究を行っています。また、これらヒトiPS細胞由来細胞を用いて肝臓、小腸、血管、血液脳関門や血液における薬物動態、安全性あるいは薬効薬理試験のモデル系の構築を目指しています。2019年9月11日には、我々が確立した分化誘導技術と、企業内で保有する関連技術などを組み合わせて開発したヒトiPS 細胞由来腸管上皮細胞が富士フイルムから発売されました。この細胞は、ヒト生体に近い機能を有し、薬物の吸収性を高精度に評価できる画期的な細胞で、経口剤開発の効率化に大きく貢献すると期待されています。
近年マイクロ流路体デバイスの研究の進展により、生体を模倣した細胞培養系が世界的に注目され、創薬研究での利用が期待されています。肝臓、小腸、腎臓、脳あるいは肺などの臓器を模倣した手のひらサイズのチップ(デバイス)が作られています。単臓器の場合Organ-on-a-chip、複数臓器が配列されているものはOrgans-on-a-chipあるいはHuman-on-a-chipとも呼ばれていましたが、近年Microphysiological System(MPS:生体模倣システム)と呼ばれています。MPSは、非臨床試験における動物実験に代わるモデル系となることも期待されています。

日本でも2017年から「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発)」として国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の新規事業として研究が始まりました。我々は本事業に参加しており、デバイス開発に加えヒトiPS細胞からMPSに搭載する細胞の開発も行っています。また、ヒトiPS 細胞由来細胞を用いて、腸管や血管の再生医療に関する基盤的な研究も進めています。さらに、我々は新規抗ヒトB型肝炎ウイルス薬開発のAMED事業にも参加しており、これまでにない全く新しい機序にて効果を示す化合物を発見することができました。現在、この化合物の構造類似体のスクリーニングにより構造最適化と機序の解明を行っています。
我々は、これらの研究を通じ多くの企業や研究機関と共同研究を行っています。関連する研究を行っている学生には、積極的に共同研究に参加してもらいます。研究を通じ、細胞の培養だけでなくその機能解析に伴う様々な技術を習得することができます。また、共同研究への参加は、研究の視野の広がりと社会とのつながりを持つ非常に貴重な機会になります。
創薬研究を支援するモデルの開発研究や再生医療研究、あるいは創薬研究に興味がある人は、是非臨床薬学教育研究センター(臨床薬学分野)に来てください。企業との共同研究を自分が主体となって進めていきたいという積極的で精力的な人は、特に歓迎します。

教授鈴木 匡

名市大薬学部では、社会的な効果や人間への影響などを測定するいわゆる「ドライ」の研究を本格的に行っている研究室は少ないのが現状です。試験管や測定機器、細胞や動物などを使用して科学的な証明をする基礎研究も重要ですが、人間の行動を分析し、時にはその行動に介入を行うことでどのような変化が現れるかを数値化して分析する疫学的な研究はますます薬学領域でも重要になってきます。実験器具は使わない研究ですが、医療施設で活躍する薬剤師にはこれからますます必要となる研究手法です。「地域医療で活躍したい」という学生さんは 是非本研究室へお越しください。

研究室見学のお申し込み

研究室配属や他大学から大学院進学を希望し、
研究室に興味がある方は見学を随時受け付けます。
また、要望があればいつでも研究内容も説明します。
さらに、研究室配属前の学年でも研究をすることを
希望する場合、可能な限り受け入れるように
しています。
これらの希望者は、事前に松永までメール(tmatsu@phar.nagoya-cu.ac.jp)を下さい。
お待ちしています。

先輩からのメッセージ

博士後期課程1年中西 杏菜
博士後期課程の学生です。私は「iPS細胞の再生医療への応用」と「B型肝炎新規治療薬の開発」を目指して研究に励んでいます。どちらも比較的臨床に近く、「これで病状が良くなる患者さんが増えるかもしれない」ということがすごくやる気に繋がります。研究室の学生は皆、熱心に研究に取り組んでおり、お互いに意見を交換し合えるとても良い環境です。また、新歓等の研究室行事の他に、不定期に飲み会をしたり遊びに出かけたりすることも多く、学年問わず仲の良い研究室だと思います。いつでも遊びに来てください!!
博士後期課程1年山下 美紗季
iPS細胞を用いて薬物の血液脳関門透過性を評価するモデルづくりを行っています。実用化を視野に入れた研究であるため、とてもやりがいを感じています。
これから研究室を選ぶ人たちに伝えたいことは、たくさん研究室を見学して「研究室の雰囲気・条件が自分に合っているか」を確かめてほしいということです。研究テーマへの興味もさることながら、生活の半分以上を過ごすことになる研究室が居心地よく研究を頑張れる雰囲気であるかどうかはとても重要だと思います。当研究室はイベントを全力で楽しみつつ、研究には真面目に取り組む雰囲気です。私は所属して3年ほど経ちますが、この研究室のメンバーになれて心から良かったと思っています。興味が少しでもある方はぜひ一度見学に来てください。
研究の様子
博士後期課程4年青木 啓将
研究室の雰囲気は和やかで、先輩・後輩の仲が良く、とても過ごしやすい環境です。当研究室で行っている研究はiPS細胞の各臓器への分化誘導法の開発や抗がん剤の副作用の機序解明など、多岐に渡っており、どれも創薬に貢献し得る興味深いテーマとなっています。また、先生方は非常に優しく、研究のことだけでなく、日常のことや就職に関しても常に気にかけてくださいます。当研究室は研究室生活を楽しみたい方や研究を思う存分やりたい方、その両方を叶えたい方におすすめです!
博士後期課程2年齊藤 将之
社会人大学院生です。普段業務との掛け持ちなので頻繁には研究室には行けないのですが、伺うと必ず研究室の学生さんが挨拶をしてくれますし、雰囲気は良いです。私は臨床での疑問や問題点を研究する事で薬剤師としてより高度な知識・経験が得られていると実感しています。優しい先生方ばかりですのできっと楽しく研究が出来ると思いますよ。
博士後期課程4年成田 敦貴
臨床薬学教育研究センターは、学内でも最大規模の研究室です。その人員の多さが最大の強みでもあり、研究面では勿論のこと、就活等のプライベートにおいてもお互いに情報を共有する場面が多く見受けられます。若干名ですが外国籍の学生も所属しており、英語でのコミュニケーションをとることもあるので、将来海外キャリアを狙っている人は良い練習になるかもしれません。何か気になることがあれば気軽に訪問してください。
研究の様子 研究の様子
博士前期課程2年外山 智視

私は臨床センターを選んで本当に良かったと思っています。その理由を3つ紹介したいと思います。

1.ウエット(iPS細胞)×ドライ(薬剤師)の双方を学べる!
私はiPS細胞を用いた再生医療の研究をしています。同時に、セミナーを通じて薬剤師の在り方等、臨床現場に関する事柄も勉強できています。「薬学・医療について幅広く学べる環境」という点では、臨床センターが一番だと思っています。

2.チャレンジできる環境がある!
私は、現役で競技スキーを続けています。(冬の週末は山籠もりをしています。)
先生方が学生の意志を尊重してくれるので、部活動や短期留学等にも挑戦したい方にはピッタリです。

3.仲がいい!
臨床センター最大の魅力だと思います!同期はもちろん、先輩・後輩との距離も近く、本当に楽しく研究室生活を送れています!突発的に研究室でたこ焼きパーティーや飲み会が開催されることもしばしばです。

少しでも興味が湧いた方は、ぜひ見学に来てください!きっと臨床センターに入りたくなりますよー!

Qiu Shimeng

研究の様子

Time flies, this year is my third year of clinical pharmacy laboratory. As a foreign student studying in a foreign country, I have faced many challenges along the way, and I have also gained more happiness and achievements. In the past few years, although there are differences in language and culture, but both in life and in research experiments, teachers and classmates have given me enough help and encouragement. Because of everyone’s support, when I encountered difficulties and setbacks, I can actively go on.
The atmosphere of the laboratory is not only easy and pleasant but also everyone is more rigorous in their research. During the two years of studying for the master’s degree, I participated in the domestic academic conference in Japan and made poster presentation four times. In addition, I also published a patent.
The age of 20 is the most precious time, and I think it is the wisest choice to decide to spend five years in the clinical laboratory. I not only learned knowledge, language and culture, but also gained precious friendship.
I hope that you will be able to do your favorite research in the laboratory and enjoy it every day.

研究の様子

進路について

2018年度
名古屋大学医学部附属病院 / エーザイ株式会社 / ノバルティスファーマ株式会社 / 第一三共株式会社 / 須田病院 / 済生会横浜市東部病院 / 大津赤十字病院 / イオンリテール株式会社 / 大阪市立大学医学部附属病院 / 東京都庁病院経営本部(都立病院) / RWCコンサルティング合同会社 / 信州大学医学部医学科入学 / 大学院博士後期課程進学
2017年度
ブリストル・マイヤーズ・スワイブ株式会社 / 長野市民病院 / 名古屋市職員 / シミック株式会社 / 名古屋第一赤十字病院 / 名古屋記念病院 / マイラン製薬 / 大学院博士後期課程進学 / 大学院博士課程進学
2016年度
鳥取大学医学部附属病院 / 日産化学 / リニカル:CRO / JA厚生連 安城厚生病院 / ジョンスン・エンド・ジョンソン / 名古屋市立緑市民病院 / 名古屋市職員 名古屋市立東部医療センター / 岡山大学医学部附属病院 / 大学院博士前期課程進学
2015年度
京都第二赤十字病院 / 名古屋市職員 / JA厚生連 安城厚生病院 / テルモ(株) / 香川県職員 / 大阪府立病院機構 / 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士前期課程進学
2014年度
JA厚生連 安城厚生病院 / 名市大病院 / 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士課程進学 / 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士前期課程進学 / 名古屋市職員
2011年度
名古屋第一赤十字病院 / 株式会社キリン堂 / 株式会社CFSコーポレーション
2010年度
医療法人笠寺病院 / 信州大学医学部附属病院 / 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士後期課程進学

センターで学びたい方へ

研究を通じて医療、
ひいては社会に貢献する

教授松永 民秀

臨床薬学教育研究センター(臨床薬学分野)では、臨床や医療現場に関わる研究から、ヒトiPS細胞を用いた創薬支援や再生医療に関する研究、あるいは医薬品開発研究までとてもバラエティーに富んだ幅広い研究を行っています。
我々は、研究を通じて社会に貢献したいと思っています。例えば、本研究室ではヒトiPS細胞を用いた研究を行っています。よくiPS細胞の研究を行っていると勘違されますが、iPS細胞の研究ではありません。iPS細胞は、目標を達成する手段の1つとして使っているにすぎません。我々の研究は、ヒトiPS細胞から創薬研究を支援する材料となる細胞や評価系を作り出すことを目的としています。最終的な目標は、製薬企業において我々が開発した細胞や評価系が創薬研究支援材料として実際に用いられ、それらを通じて医薬品の開発に少しでも寄与することです。副作用が少なく、効果が強い薬が少しでも早く上市されれば、それらを待つ患者には福音となります。

研究を進めると新たな発見があり、新しい知財として認められれば特許出願を行います。また、様々な企業や研究室と積極的に共同研究を行っています。ヒトiPS細胞の分化誘導やその利用に関する研究は、日進月歩の勢いで発展しており、世界中で非常に激しい競争が繰り広げられています。その為、研究推進の中心は学生で、教員は多くの場合研究の方向付けやアドバイスなどのサポートに回ります。それは、思考が柔軟な若い人のアイデアは、新たな研究を進めるうえでとても貴重と考えているからです。
医薬品開発は候補化合物を合成したり、見つけ出したりするだけではありません。それらの有効性や安全性、薬物動態など様々な試験を経て初めて医薬品となります。創薬研究支援材料の創出は、医薬品開発のために多くの製薬企業で使用される可能性を秘めたとても魅力的な研究です。自分が中心となって新たな発見をし、企業等との研究をやってみたいと思う人。また、自分が作った細胞や評価系が将来創薬研究等に利用され、医薬品の開発の手助けとなる研究をやってみたい人。私たちと一緒に研究しませんか。

臨床業務を実際に体験した
教員が教える役に立つ研究

教授鈴木 匡

名市大薬学部では、社会的な効果や人間への影響などを測定するいわゆる「ドライ」の研究を本格的に行っている研究室は少ないのが現状です。試験管や測定機器、細胞や動物などを使用して科学的な証明をする基礎研究も重要ですが、人間の行動を分析し、時にはその行動に介入を行うことでどのような変化が現れるかを数値化して分析する疫学的な研究はますます薬学領域でも重要になってきます。それは、薬剤師が行う業務を科学的に分析し、地域医療にどれだけの貢献があるのかを明確にするからです。実験器具は使わない研究でも「仮説」を立て、どうしたらその「仮説が証明できるか」方法を考え、実際に測定して分析して考察することは、他の基礎研究と全く同じです。医療施設で活躍する薬剤師にはこれからますます必要となる研究手法です。「地域医療で活躍したい」という学生さんは 是非本研究室へお越しください。